8月のいちない日記
2011年08月02日

こんにちは。日本の皆さんはお元気にされていますでしょうか。
現在カナダのモントリオール、マギル大学へ留学中の金沢です。2009年の春にこちらに来てから、あっという間に3年目になりました。
モントリオールは北米でも一番治安がいいところで、街の景色も美しく、夏も涼しく、最近は暑さのピークが過ぎたようで朝夕は少し寒いくらいです。冬が厳しくて公用語がフランス語ということ意外は文句がない所です(笑)。
上の写真はマギル大学付属のRoyal Victoria Hospitalです。この古い、魔法のお城のようなところで研究をしています。
島根での大学院時代には臨床に従事しながら研究も平行して行い、特に基礎研究では培養細胞を使った研究をしてきました。なので、留学中は動物を使ったin vivoの研究をしたいと思い、現在は遺伝子改変マウスを用いた骨の研究をしています。

ある核内タンパクの遺伝子を欠失したマウス(ノックアウトマウス)と野生型マウスの骨のマイクロCTの画像を示します(右の写真)。右側のノックアウトマウスでは海綿骨が著明に減っているのが分かると思います。やはり遺伝子を改変にしたマウスモデルというのは強力な研究ツールですね。今では遺伝子を操作したマウスを作成することは困難ではなくなり(確かに時間とお金を必要としますが)、たくさんのすばらしい研究結果が発表されています。
今年も5月にマギル大学関連内分泌部門の研究発表会がありました。カルシウム研究室内だけでも4つのラボがあり、内分泌関係のラボが合計いくつあるのか僕も知りませんが、計56の一般演題発表がありました。やっぱりマギル大学は大きくactiveな大学ですね。研究会は朝から夕方まで、シンポジウムやレクチャーがあり、会の最後には今年の優秀チューターと優秀学生、優秀演題賞、トラベルアワードの発表がありました。僕も昨年に引き続き骨芽細胞でのあるタンパクのノックアウトマウスと過剰発現マウスを用いた研究発表を行い、今年はトラベルアワードをもらうことができました。

留学の醍醐味は研究とともに海外で生活するということですよね。昨年まではダウンタウン内の高層アパートに住んでいたのですが、今年は少し郊外の一軒家に引っ越してカナダでの生活をenjoyしています。
モントリオールは意外とアメリカにも近く、日本からなら十数時間かかるのが、ここからだと車で5-6時間もあればボストンやニューヨーク、飛行機なら西海岸にも5時間で行くことができます。お得に海外旅行ができるので週末や夏休みに今年すでに5回も渡米しました。なかなか日本にいたときには家族サービスができなかったのですが、毎日家族の顔を見て、週末旅行をすることができるのも留学中ならではですよね。
左の写真はニューヨークで我が子達と

右の写真はグランドキャニオンでの1枚

モントリオールはフランス語が公用語ということもあってか日本人も少ないのですが、アカデミー会という短期留学者を中心とした日本人の会があります。夏には会長のShibata先生主催のゴルフコンペとBBQがありました。Shibata先生はモントリオールに移ってきて約50年になるそうで、80歳になりますが現在も現役の医師(教授)としてマギル大学内で診療をしています。そう、カナダには定年というのがないのです。色んな歴史・逸話がある先生なのですが、もし機会があればまたお話ししたいと思います。
今年で3回目のゴルフコンペでは生涯ベストスコアで廻ることができ、ベストプレーヤー賞をもらうことができました。ということで、アカデミー会のトロフィーに僕の名前も刻まれることに。研究ではまだなんの業績も出せていませんが、モントリオールアカデミー会の歴史に名前を残すことができました(笑)。
上の写真はBBQで撮った集合写真です。年々知り合いが増え、今年は幹事としてBBQに参加し、楽しい一日を過ごしました。
そんなこんなで、「よく学びよく遊べ」の精神で楽しい留学生活を送っています。
第一内科の皆さんも活躍しているようで、特に若い先生達がすごく元気がよくていい仕事をしていると聞いています。来年帰国した際には3年間の診療未経験の時間を取り戻しながら、こっちで得た知識を活かして仕事ができるようにしたいと思います。
新しい知見を世界に向けて発信できるように、人の7倍は頑張っていきたいと思いますので、帰国した際にはどうぞよろしくお願いします。
金沢一平
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