内分泌代謝分野

山口徹

研究テーマ:生活習慣病と骨粗鬆症の関係の基礎・臨床研究

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糖尿病、メタボリック症候群、脂質異常症と骨粗鬆症の関係を、基礎、臨床研究の両方から研究しています。これらの疾患は今後の高齢化、欧米化社会において増加が予想され、重要な研究テーマと考えています。

当科は研究にも熱心な先生が多く、これまで一流の医学英文誌にいくつも研究成果が論文として掲載されています。幾人かの先生は学会での受賞もされ、全国的に活躍を始めています。さらに学問的に発展したい方は、医学博士号の取得後に海外留学も可能なルートがあります。

当科で研究を開始した先生に対しては、医学統計と英語の知識が大切と考えて、その2つの習得の指導に特に力を入れています。医学統計を身につけて英語で論文を執筆する能力が身につけば、市中病院勤務や開業しても臨床研究ができるようになります。また、博士号取得の3-4年間の研究期間中、その成果を一度は海外の学会で英語で発表するように勧めています。

インターネットの普及により研究の発案に必要な情報収集は、大都会、地方都市に関係なくどこでも可能となりました。出雲は大都会と比べると通勤や子供の教育、治安、住宅の環境がよく、落ち着いて研究するのにはよい町です。ぜひ若いうちに我々といっしょに研究生活を経験して、学問としての医学の楽しさ、奥深さを実感して下さい。

矢野彰三

研究テーマ:内分泌代謝異常と腎障害

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腎臓はバソプレシン、ANP、BNP、アルドステロン、副甲状腺ホルモン、FGF23などのホルモンの指令を受けて水・電解質・酸塩基を調節する一方、エリスロポエチン、レニン、活性型ビタミンDといったホルモンを産生します。したがって、腎不全ではさまざまな代謝内分泌異常や電解質異常をきたします。

また、透析導入の原因疾患として糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症が増加し、今や半数以上を占めています。高血圧はもちろん肥満・糖尿病・脂質異常、それらの複合であるメタボリック症候群を早期から管理治療し、血管障害を予防することが重要です。

しかし、未解明のことも多く、現在は下記のような疑問について考え、予防や治療に生かすべく、その一端を研究しています。

透析患者では骨脆弱性があり高度な血管石灰化が認められますが、なぜ骨のカルシウムが血管に移動するのでしょうか?治療できるのでしょうか?二次性副甲状腺機能亢進症は解決されたのでしょうか?βアミロイドによる透析アミロイドーシスに代表されるように、透析では除去できない尿毒素の蓄積により体内環境が悪化しますが、どの尿毒素物質がどういった作用を持つのでしょうか? 肥満することは腎糸球体の肥大をもたらし、高血圧・糖尿病ひいては腎機能障害をきたします。

ではなぜ内臓肥満によってインスリン抵抗性が生じるのでしょうか?なぜ血管障害や臓器障害をきたすのでしょうか?

 

山内美香

研究テーマ:骨粗鬆症の病態解明を目的とした臨床検討

  • 骨質に影響を及ぼす因子の臨床的検討
    臨床的に骨の強度を測定する最も有用な方法は骨密度測定ですが、骨密度では表せない骨の脆弱性が存在することが明らかとなってきました。骨密度以外の骨強度に関わる因子を骨質と言います。骨質に関わる指標で臨床的に測定可能なものは、現時点では骨代謝マーカーのみですが、骨代謝マーカーのみでは骨の脆弱性を十分予測できません。そこで、骨質に関わる因子として、脂質代謝をはじめとした生活習慣病や、栄養素摂取、運動機能などが関わるか否かを明らかにすることを目的とした臨床研究を行っています。

  • 続発性骨粗鬆症における骨折リスク因子の検討
    様々な内分泌疾患や代謝疾患が続発性骨粗鬆症をきたしますが、原発性骨粗鬆症と異なり、その病態の詳細は明らかとなっていません。また、続発性骨粗鬆症の治療は原疾患の治療のみで改善するとされていますが、閉経後骨粗鬆症が併存することもあり、原疾患が改善する前に骨折をきたす例も多々存在します。そこで、甲状腺疾患や副甲状腺疾患、成長ホルモン低下症、そして薬剤服用などによる続発性骨粗鬆症を中心に、有用な骨折リスク予測因子の同定と治療法の確立を目指した臨床研究を行っています。

 

山本昌弘

研究テーマ:糖尿病における骨代謝異常

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近年糖尿病患者では骨密度が高いにも関わらず骨折の相対危険度が高いことが明らかとなり、糖尿病に特有の骨代謝異常として骨質低下が示唆されています。

終末糖化物質(advanced glycation end-products)とその受容体や、CT撮影装置などの臨床画像を用いた骨構造解析を通じて骨質を規定する因子を研究中です。

内分泌の視点から骨代謝異常と糖尿病合併症との関連を調査し、糖尿病患者さんの予後やQOLを改善する治療法につながる研究を行っています。

 

金沢一平

研究テーマ:骨代謝と糖・エネルギー代謝、動脈硬化との接点を探る

科学技術の発展と医学の進歩により、世界人口は増え、先進国では高齢化が目立つようになってきています。それに伴い、生活習慣病や加齢に伴う疾患をもつ患者数が急増してきています。

こういった現実のもと、元気で自立した老後を過ごして欲しい、私自身も過ごしたい!という一心のもとに研究活動を行っています。そのためにはまだまだ明らかとなっていない、ヒトの生命現象におけるメカニズムやホメオスターシスを解明し、理解していくことが重要であると考えています。

クラシカルには下垂体や甲状腺、副腎、性腺といったものが内分泌臓器の代表的なものでしたが、近年ではそれ以外の組織・臓器にも内分泌的な役割があることが次々に明らかとなっています。例えば1990年代初めに脂肪細胞から大量の生理活性物質が分泌されていることが発見され、アディポカインとして知られるようになりました。さらには骨や筋肉からもホルモン・サイトカインが分泌され、全身に影響しうることが報告されてきています。 

骨代謝と糖・エネルギー代謝、動脈硬化との接点を探る私は脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンの骨代謝への影響を検討することから研究活動をスタートさせ、脂肪組織と骨代謝との相互関連性についての研究を現在進行形で行っています。今では、この分野は世界的な注目を集めており、私の発表した論文もすでに多くの他の研究者から引用されるようになってきています。

さらに、留学中に、遺伝子改変動物の作成・解析にも携わってきましたので、帰国後もこの技術を用いて私の研究を発展させたいと思っています。また、それぞれの研究者が長所を出し合って行う共同研究によって、エビデンスの質が上がることが期待されます。多くの研究者と交流を持ち、お互いを刺激し合いながら未知なるヒトの生態の解明に迫りたいと考えています。

若手の方々、私と一緒に研究をしてみませんか?

すでに研究テーマをお持ちの研究者のみなさん、私のテーマと関連性があるようなら共同研究してみませんか?

是非ともよろしくお願いします。

 

私の研究活動については個人的なホームページでも紹介させていただいていますので、もし興味を持っていただけましたら、下記リンクにお立ち寄り下さい。

http://www.ippeikanazawa.com/

 

小川典子

研究テーマ:糖尿病における骨血管連関

動脈硬化性疾患と骨粗鬆症はいずれも加齢に伴い増加する疾患ですが、年齢を考慮しても両者の間には有意な相関が存在します。これらの発症や進展に影響する共通の因子が存在する可能性が考えられており、骨血管連関と呼ばれていますが、その機構の詳細は明らかではありません。私は現在、2型糖尿病患者において動脈硬化と骨粗鬆症との関連について、臨床研究を行っています。

 

守田美和

研究テーマ:糖尿病・生活習慣病と動脈硬化

糖尿病・生活習慣病における動脈硬化発症には様々な要因が複雑に関連しており、まだ解明されていない事も多いのが現状です。私は、糖尿病・生活習慣病患者さんの合併症予防・抑制の糸口になる動脈硬化発症機序の解明を目指して研究を進めています。臨床研究では、初期動脈硬化指標である血管内皮機能検査(FMD)を使用し糖尿病・生活習慣病患者の血管内皮機能に着目して、悪化、改善に関連する因子などについて研究しています。また、基礎研究でも臨床研究と関連のある内皮細胞を使用し、糖化産物や尿毒素物質による内皮障害のメカニズムについて研究を行っています。今後は持続血糖測定器(CGMS)、人工膵臓を使用した研究も進める予定です。

 

血液内科

田中順子

研究テーマ:造血器腫瘍における免疫制御剤の作用機序

研究について

 近年造血器腫瘍において、腫瘍細胞の死滅効果だけでなく免疫や血管にも作用して腫瘍を制御する薬剤として、サリドマイドなどの免疫制御薬(immunomodulary drugs: IMiD)が注目されています。

腫瘍細胞のみならず造血細胞について、フローサイトメトリーを用いて表面抗原の発現の変化を検討し、免疫制御薬の作用機序についての調査を行い、血液疾患患者さんの治療選択につながる研究を行っています。